LEVEL 1:皮膚・皮下組織
一次性頭痛のはじまりは、頭皮や首にある皮膚、皮下組織の緊張、冷え、乾燥から起こります。
皮膚、皮下組織が縮んで硬くなることで、その奥にある筋膜、筋肉を圧迫し、筋肉の血流を滞らせて痛みの原因となります。
LEVEL 2:表層筋
後頭前頭筋
後頭前頭筋は、頭を覆っている筋肉の総称で、筋肉の一方が皮膚で終わっている皮筋です。
また、後頭筋、前頭筋の2つの筋肉によって構成され、後頭筋は、後頭部にあり、外側は耳の後ろにある突起物(乳様突起)についています。前頭筋はおでこにある筋肉で、眼輪筋、鼻根筋と線維を交叉させ、眉間と眉部の皮膚に停止します。眉を引き上げおでこにシワを作る役目をしています。
側頭筋
側頭筋は、側頭部全体に広がっています。そして、頬骨の内側をくぐるようなかたちであごの骨についています。食べ物を噛むときに使う筋肉でもあるので、歯ごたえのあるものを食べ過ぎたり、ストレスから噛みしめや歯ぎしりの癖がある人は緊張しやすい筋肉でもあり頭痛の原因になります。
僧帽筋
僧帽筋は、首の付け根、外後頭隆起という場所から、一番下のアバラ骨がついている背骨、第12胸椎まで続いて始まり、その停止部は肩甲骨や鎖骨の外側1/3になる筋肉です。
頭が少し重たい感じがする、首の付け根が重たい、痛いなどの軽い症状はこの筋肉がこっていることが多いです。
胸鎖乳突筋
胸鎖乳突筋は、名前のとおり、胸骨と鎖骨という前側にある骨から始まり、乳様突起という耳の後ろにある頭蓋骨の一部についています。
首を曲げたり、捻ったりするときに作用する筋肉で、頭痛の原因になりやすいところです。
不眠症など寝つきが悪い、眠れない症状や、耳鳴り、めまいがあらわれる頭痛の時に関係します。
LEVEL 3:中層の筋
頭板状筋
頭板状筋は、首の骨の、第4、5、6、7頚椎、及びあばら骨がある胸の骨、第1、2、3胸椎の後ろに飛び出た部分(棘突起)から始まり、耳の後ろにある下に飛び出た部分、乳様突起と呼ばれるところを含む頭蓋骨についています。
そして、頚板状筋とともに上を向く動作、いわゆる首を後ろに反らしたり、真横に倒したり、左右に捻る運動をしてくれます。
頚板状筋
頚板状筋は、あばら骨がある胸の骨、第3、4、5、6胸椎の後ろに飛び出た部分(棘突起)から始まり、首の骨の、第1、2、3頚椎の横に出っ張っている横突起と呼ばれる骨についています。
そして、頭板状筋とともに上を向く動作、いわゆる首を後ろに反らしたり、真横に倒したり、左右に捻る運動をしてくれます。
頭半棘筋
頭半棘筋は、首の骨の、第4、5、6、頚椎の間接突起、及びあばら骨がある胸の骨、第1~6胸椎横に出っ張っている横突起と呼ばれる骨からはじまり、後頭部の頭蓋骨についています。
そして、上を向く動作、いわゆる首を後ろに反らしたり、左右に捻る運動をしてくれます。
斜角筋群
斜角筋群は、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋の総称です。斜角筋群は胸鎖乳突筋の後ろに位置する筋肉です。それぞれ第2〜7頚椎の横突起から起こり、肋骨に停止します。支配神経は頚神経叢と腕神経叢に支配されています。筋の走行によって支配神経が違いますが、主に首を横にたおす作用があります。
LEVEL 4:後頭下筋群

後頭下筋群とは、頭の後頭骨から首の骨(頚椎)に、付いている筋肉で最も深い所にある筋肉で、小後頭直筋、大後頭直筋、上頭斜筋、下頭斜筋の4つの筋肉から構成されています。
後頭下筋群が緊張してくると、この筋肉の奥にある後頭下神経、大後頭神経、小後頭神経が圧迫され頭痛や頭重感、首の重い痛みなどが出てきます。
特に、リウマチの方や交通事故でのむちうちを経験している方は症状が強く出やすい場所です。
①小後頭直筋
小後頭直筋は、環椎(第1頚椎)の後ろ、後結節からはじまり、後頭部の内側、大後頭直筋の内側についています。
この筋肉は、上を向いたり、首を横に倒したり、横を向いたりするときに働いてくれます。
②大後頭直筋
大後頭直筋は、軸椎(第2頚椎)の棘突起とよばれる後ろに飛び出たところからはじまり頭蓋骨の後ろ外側についています。
この筋肉は目線を水平に保つために、調整をする部分で、椎骨動脈や頚動脈といった、脳への血液循環を左右する複雑な部位でもあります。
③上頭斜筋
上頭斜筋は、環椎(第1頚椎)の横突起とよばれる横に飛び出た骨からはじまり、後頭部の外側で大後頭直筋と重なるようについています。
この筋肉は上に向いたり、首を横に捻ることをしてくれます。
④下頭斜筋
下頭斜筋は、軸椎(第2頚椎)の棘突起とよばれる後ろに飛び出たところからはじまり、環椎(第1頚椎)の横突起とよばれる横に飛び出た骨についています。
この筋肉は、横を向くときに働いてくれます。